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zoom RSS 君の明日は・・・

<<   作成日時 : 2008/08/21 21:56   >>

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 今日は、不思議な一日でした。といっても、ロマンチックとかいう不思議ではなく、人間って色んな人がいて、それぞれがそれぞれに必要な時に生まれて体験していく全ての事がその人にとって必要な事なのかなぁと思う一日でした。(・・長い?)

 それ程仕事に対してじっくりと向き合うことが出来た木曜日って、凄く少ない気がします。だからそれを言葉にしようと思うと全く難しい事なんで、どれだけ伝わるか分からないんだけど



 朝一番から、モグラーずの巣穴ではどたばた劇が始まってました。主任さんが出勤した私たちを見つけて開口一番、おはようじゃなく、

「信じられるっ!?」

「・・・・いえ、信じられません

 条件反射で言葉が・・・・

「そんな事じゃなくってーーーーー!!!!

 ・・・・はい、すいません

 そーなんです。朝一番からモグラーずの巣穴をかき乱していたのは、一整形外科医のあまーーーい診断(がっつり噛まなくても甘いって分かったわ。)による手術延期
 今日の手術を予定していた患者さんの術前処置をしていた時に皮膚に傷が見つかって、手術延期を決めたというものです。その手術は骨折の観血的整復術だったので、普通、整形外科医は前日に手術が可能かどうか皮膚の状態を確認します。皮膚にトラブル、例えば水泡が出来ていたり引っかき傷が出来ていたり、瘡蓋がはがれて生々しい傷になっていたりすると、そこからばい菌が入って手術後に大変なことになるので、そうしたトラブルがあった場合は問題の皮膚の傷が閉じるまで手術を延期します。特に開放骨折でない場合は皮膚トラブルには要注意なんです。(開放骨折の場合はそれより大事な事が一杯あるから緊急手術。)
 けど、この整形外科医、皮膚の状態を確認したのが当日の朝 小難しい器械を一杯借りて、特別なプレートやスクリューを用意して、準備万態整えて患者さんを迎えるだけだった手術室にとって、突然の手術延期はもうガックリというか、意気消沈です これが前日に分かっていたらまた違うんだけど・・・・。

 そのやりとりが、上記。私が出勤したときには既に中止が決定していて、手術場がばたばたしていた時だったんです。その怒りを何処に持っていっていいのか分からない主任さんに捕まり、延々と事顛末を聞いたわけです。

 仕事前のばたばたが一段落したら、ぞくぞくと予定手術の患者さんが入ってきます。その受け入れ準備とスムーズな手術進行のお手伝いをしながら、私は自分のつく手術の準備も進めなければならず、あっちの部屋へ行ったりこっちの部屋へ行ったりしながら、2件分の産婦人科手術の準備。

 一件目は帝王切開、2件目は卵管腫瘍による卵管結紮

 この二つとって見ても、一方は子供を産む手術、一方は子供を諦める手術・・・。何だか切ないなと思いました。

 帝王切開で赤ちゃんを産む女性は、何度も何度も流産を繰り返してようやく授かった第一子。可愛い自分の子供に早く会いたいんだけど、麻酔の注射のときからなんだか非協力的
 私たちの病院では、帝王切開は下半身麻酔で行います。帝王切開の全身麻酔では、麻酔深度と産科医師の手術の腕によっては、赤ちゃんにまで麻酔がかかった状態で生まれてしまうこともあり、これは大変危険なこと。
 総合病院として、やむを得ず全身麻酔をかける場合は小児科医の立会いを必ず要請しますが、できればそんな緊急事態は避けたい 以前帝王切開で全身麻酔を選択しなければならなかった症例では、麻酔科医はいつもの麻酔より何倍も早い速度で麻酔深度を深めます。赤ちゃんに麻酔薬が回ってしまう前に、手術を終わらせてしまおうという目的です。手術をするにはお母さんの痛みをとらなければならないので、どかっと一気に眠ってもらい、サクッと赤ちゃんを出して泣かせるという手をとります。
 これ、麻酔科医にとっても私たち手術室看護師にとってはかーーーなーーーり神経をすり減らす麻酔です。しかも、器械だしも大変 器械は何もいわずに流れるように出さなくてはいけない。声を出している時間すら惜しいですからね

 話がずれましたが・・・・

 その腰から下の下半身麻酔では、横向きになって腰から注射をします。背骨の中にある神経に麻酔薬を注入して下半身を麻痺させます。この注射のときから、妊婦さんは

「いゃぁ〜〜〜

「いーたーいー〜〜〜

「こ〜わ〜い〜〜〜

「きゃぁ〜〜〜


 ・・・・・どんだけやねん・・・・

 患者さんと分かっていても、次第に看護師さんや麻酔科医の言葉が投げやりになってくるのが可笑しかったです。下半身麻酔では、注射の際に動いてしまうと変な部位へ針が入ってしまい、危険 注射をして針が良い所へ届くまでは頑張ってじっとしていてもらわなくては成らない、患者さんにも協力していただかないといけない麻酔なんですが、この妊婦さんはgoing my way
 
「いたぁ〜〜〜い〜〜〜

 と言っては腰を振り、

「こわぁい〜〜〜

 と言っては身体を揺すって泣き出す始末
 手術を受けるのは患者さんだし、怖い思いをしているのも痛い思いをするのも患者さん自身ですが、なんともやりきれない複雑な思いに晒されます。
 私は器械だしだったので、その様子をじっと見ているしかなかったんですが、外回りの看護師さんやフリーで応援に入ってくれた看護師さんが一生懸命慰めたり労ったり励ましたりしているのに、聞く耳持たず こちらが頑張って声をかけているのも効果なし
 麻酔科医はもう何もいわずに仕事を続けようとするし、手術を担当する主治医の産婦人科医は手洗いをしてガウンを着て待機していながら、患者さんに

「じっとしていなさい!!!麻酔が出来なきゃ手術が出来ないだろう!!

 と声を荒げる。まぁ、言ってることは正しいんだけどさ・・・。

 どうにかこうにか麻酔を済ませ、それでも麻酔薬が赤ちゃんに届かないうちに颯爽と手術を始めると、麻酔の効果はしっかりあるのに

が痛いーーー!!!何処切ってるんですかーー!!!」

 ・・・・・えっ!?
 ちゃんと帝王切開の部分を切ってるけど・・・・!?

「痛い痛い痛いってーーー!!!

 ・・・・・今何にもしてないけど・・・・
 
「何処が痛い?」

 と聞く外回り看護師さん。それに答えた患者さん。



「胸が痛い。」



 そこから子供は産めないだろーーーー!!!!

 先生も苦笑いをかみ殺しながら手術。目で「全くねぇ」と私に訴えてくるのをかわしながらの手術。子宮に到達していよいよ赤ちゃんを出すときになると、大騒ぎ

「少しお腹を引っ張られる感じがあるからね。」

 外回りさんが手術の進行を確認しながら適宜声掛けをしてくれているんですが、聞いているのか聞いていないのか、



「ひゃ〜〜〜〜っっっん!!!!痛い痛い痛いってばーーー!!!」



 子供を産むんだから、痛いんだよぅ・・・という言葉は飲み込んだけど
 この方、逆に帝王切開でよかったのかも

 赤ちゃんは完全骨盤位だったので、いつもとちがってお尻からこんにちは 最後に頭が出てきて「おぎゃ〜と相成りましたが、生まれた途端お母さんは

 さっきまでの痛いは何処へ行ったの!?

 という程の満面の笑みだったそうです。私たちの「おめでとう」の声に一つ一つ笑顔を向け、本当に嬉しそうだったそうです。

 何回も流産を繰り返して、やっと手にした赤ちゃんだもんね・・・生まれるまで気が気じゃなかったんだよね。生まれたら苦労も飛んじゃうよね。きっと赤ちゃんが大きくなった時、この帝王切開の事を話してあげるんだろうな。
 なんて言うんだろう

「生まれたときは凄く嬉しかったのよ。」

 って言葉なのかな。『凄く痛かったのよ』なのか、果ては『凄く騒いだわ』なのか・・・
 赤ちゃんさん、大きくなったら君の誕生日に何があったかじっくり聞かせてもらうといいよ。

 君が生まれたのがどれだけ嬉しかったか、
 君が生まれるのがどれだけ大変だったか、
 君が生まれるのにどれ程の人の手を必要としたか、

 全てのその手は、どれ程君の誕生を喜んでくれていたか・・・

 お母さんは何て話してくれるかな

 とんだお騒がせ妊婦さんでしたが、そのお騒がせぶりも愛らしい方でした。出産は一仕事ですからね。どんだけ騒いでもどんだけ迷惑掛けても、赤ちゃんが元気で生まれてくれれば、それは全て笑顔を開かせる笑い話なんですって

 今日もいい笑顔を、ありがとうございます。

 元気に大きくなってね!

                       

 続けて付いた婦人科手術。鏡視下で卵管にできた腫瘍を取り除く手術です。

 卵管に腫瘍ができているので、卵管ごと取ってしまいます。

 それは、もう卵子が通る道が塞がると言う事です。

 つまり、子供を望めなくなると言う事。

 また若い患者さんがこの手術を決意したのは、既に子供を何人か産んでおられ、これ以上はいいですと先生にもしっかり意思表示をしたからと言う事らしいです。けれど、今まで生んでおられた方が子供を諦めるというのはかなりの決断が要った事だと思います。

 一人の赤ちゃんの誕生を見、未来の赤ちゃんを諦める。

 手術場は、そう言う所です。

 そして感じたのが、全ての事には今この時に起こる意味があるんだなと言う事です。

 何度も赤ちゃんを断念せざるを得なかった方が8月21日に待望の第一子を迎えられ、何度か赤ちゃんを授かり家族を迎えてきた方が同じ8月21日に次の赤ちゃんを諦める・・・。

 その21日、その手術を続けて身体で感じる立場にいる私。

 言葉には出来ないけれど、不思議な感覚でした。人の生死を見続ける医療職の私は、確かに色んな人々の様々な人生に学ばせてもらっていたけれど、手術場で働くようになってますます、『病気』や『性』が人間に与える意味深さについて考えさせられます。突然の死ではなく、じわじわと進む病気の齎す『死』にはまた違った意味があり、『死』を齎さない『病気』の人間に与える難しい人生論も目にしたりします。今日のような日はまた、『同性』だからこそ感じる部分もあったりするんでしょう。女性故にかかる病気、女性故に痛む心があることも確かなんです。逆に男性だからこそという事もあるんでしょうけれど。

 それぞれに、8月21日の手術と言うこの体験が、彼女たちの人生にどんな風に関わっていくんでしょう・・・。

『8月21日は、あなたにとって良い一日だったでしょうか?』

その問いに同じ答えを出す人は、世界中何処にもいないのです。

 
 

 あなたにとって今日という日は、どんな一日でしたか?

 もう二度とないこの日をもう一度振り返ってみて、出来るなら今日という日の最後にもう一度、笑顔を浮かべてください。

 笑顔になれる『出来事』を振り返ってください。


 そして明日また、今日とは違う素敵な笑顔でいてくださいね

 明日私は、あなたの為に生きることにしましょう

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・・カイザーって、色々大変なのね。確かに自分が切られているときは全く余裕がないので、周りを気にするのは難しいけど。脊椎麻酔って、刺さったときに「ドキン!」ってするんだよね。背中だからか、ちょいと怖いかんじもするけど「痛い」と思ったことはないな、過去2回の経験では。(そんなんゆーたら、筋肉注射のか゜何ぼのこと痛いか)術中も、確かに胃が痛い。腸をグイグイ引っ張られる感覚があて。途中からすごい嘔吐もしたくなし。で次の日まで食べれない、のめれないだから異常にのどが渇くし、むっちゃ悪寒がするし。でも、これも2回目のときは前もって氷を作って待機してたし(氷はいいんだよね。不思議。この氷の美味さがまたなんとも格別なんよー♪)寒くならないように電気毛布も♪でも、生まれたときに自分の意識があるのは、やっぱりありがたい。となりに連れてきてもらったときに、涙がでる。できれば、カンガルーケアとか、ちょっとでもさわらせてあげたらもっといいと思うの。うまうまちゃん、言ってみてー。大切だとおもうんだけどなぁ。
まゆき
2008/08/22 12:10
 こっちもお母さんと赤ちゃんのどちらも無事に手術進行しないといけないので、かなり気を使いますわ。
 母は強しというけれど、母になるまではへにょへにょの女の子もいるんです。『母』って偉大なのですよ。(何の事書いてるんだか分からなくなっちゃった。)

 カイザーに於けるカンガルーケアの必要性は口を酸っぱくして言い続けてるんだけど、中々取り入れてもらえないの。看護研究としてやりたいんだけど、関係各部署の調整が大変!!…そんな事言ってちゃ、何にも進まないんだろうけどね。
 私が外回りで付いた手術の時は、出来る限り抱っこできるように仕向けてるんだけど(^^;)助産婦さんが赤ちゃん離してくれないんだよねぇ〜。誰の子供なんだか…。
うまうま
2008/08/22 21:59

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