〜近畿☆瀬戸内☆うまうま交響楽団 ♪

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zoom RSS Even if it is an empty dream

<<   作成日時 : 2008/12/22 22:55   >>

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 どちらの話題から書こうかな・・・・ちょっと悩んでしまう今日のうまうまです。

 ちょっと淋しくて悲しい出来事と、

 ちょっと嬉しくて感動した出来事と。

 こうして振り返ると、今日という日がとても充実していた気がします。自分の置かれている立場や、立ち位置、今日の私という存在の意味みたいなものも、ちゃんと分らせてくれた一日です。

 年末だからなのか、ちょっとばかし感傷的です。

 今日は、私を待っていてくれる人がいることも、

 私を見ていてくれる人がいることも、守られている事も、

 私がいなくても大丈夫な事も、何だかよく分りました。

 複雑すぎて、空っぽです。

                       

 さて、気を取り直して嬉しい事から行きましょうか♪矢張りブログは楽しく行かなくてはね!

 年の瀬と言うのは、何でこんなに忙しいんでしょうね。ばたばたする上、年末だというのに大きなオペが目白押し 数も何だかいつもより多いくらいです。それも、何だか流れよく進んでいくもので、人が足りない スタッフの数はマイナスになっているのに、オペ件数はプラスですから。
 受け持ちと直接介助の二人でオペの始まりから終わりまでこなさないといけないんです。ヘルプを頼みたいのに誰一人いない!これ、本当ですよ!人っ子一人いないんです。みんながそれぞれの手術の為にオペルームに散っているから、歩いているスタッフすらいない。

「何かあったら部屋に電話して。」

 と指導されるほどです。電話しないと人が来ない 手術場では、特に麻酔導入からオペ開始という一番ばたばたする時間に人がいないのは結構恐いです。

 今日の私は、帝王切開術の受け持ちナースでした。いつも余裕があるときは麻酔科医師が麻酔管理をしてくれるので、記録なども楽に書けたりするんですが、今回は自科麻酔。執刀する産科医が自分で麻酔をかけ、そのまま執刀に入るんです

 麻酔管理は外回り担当、つまり私。


 ぎぇ〜〜〜〜っっ!!!


 いつぞやの呼び出しのカイザーのとき見たいじゃん!

 
 という、過去の貴重な体験を鑑み、今回は準備万端で患者さんを迎え入れました。自科麻酔になると、麻酔管理と共に妊婦さんの全身管理、腰椎麻酔なので自覚症状などの管理と対応、その上で記録、カウントなどの術野の管理も加わり、手が四本ほしいくらいになります。
 一番恐いのはやはり麻酔。なので、フリー看護師にヘルプを頼み、私は妊婦さんの管理に集中する事にしました。

 入ってきた妊婦さんは以前も当院でのカイザーを経験しており、今回は第2子。

「以前の事、結構覚えてます?」

 という話題から、歳も近いお陰で、仲良しさんみたいな感覚で声かけが出来、患者さんも気さくに返事をくれたりします。とってもいい患者さんで、その朗らかな性格に助けられました 
 今回はちょっと赤ちゃんが小さいかもしれないという予測の元、事前に小児科の先生に応援を依頼していました。やって来たのは、いつも当直でお世話になっている小児科の先生で、カイザー時のカンガルーケアを相談していた先生。

「お願いしまーす

 と、定例の手術前の挨拶をみんなで交わして、腕まくり
 一緒に後から入ってきたのは、緊急カイザーで直立不動と化してしまった若き小児科医。今回は指導医(?)である先生に引っ付いて、何だかてきぱきと動いてる 生まれてくる赤ちゃんの予測を立て、その予測の元に器械の準備や点検。

 やればできるじゃん!
 頼もしい後姿になってきました

 麻酔効果を確認した後は、一気に切開、5分もたたずに子宮にメスが入りました。お母さんである患者さんと「じゃあ始まるからね。痛くないから安心しててね。」とのんびり話をしていたら、あれよあれよとお腹から赤ちゃんの頭が見えてる

「お腹押すからね!ちょっとここだけしんどいよ!」

 慌てて声をかけましたが、その途中から既に医師は赤ちゃんの娩出の為にふんがふんがとお腹を押しまくる。(いつもこうして出すんですよ)お母さんの顔がしんどさで歪むのをはらはらしながら見守り、


 おぎゃっ!!!!


 短くてもはっきりと、しっかりとした声が聞こえました声は続かなかったけれど、

「聞こえた!?」

 とお母さんに問うと、

「うんうん!聞こえた!元気そう!」

「そうだねー!」

 お母さんの顔はしんどさもどこへやら、ぱーっと明るくなって満面の笑顔

 カイザーで生まれた赤ちゃんは、インファントウォーマーで小児科医と助産婦さんからの処置を受けます。赤ちゃん特有の胎脂が付いた身体や顔を拭いたり、カイザー特有の出血を拭ったり、勿論羊水を吸引したり、泣かせたり
 どの子でも同じようにするんですが、特にリスクが高い子ではいろんな機械を同時につけるので、ピンポンピンポンと異常値アラームが鳴ったりもします。これがお母さんにはドキドキみたいなんだけど・・

 今回は、赤ちゃんが小さいと言う事でしたが、正期産。お母さんも元気だしということで、私、わざとちょっとだけ・・・・ちょっとだけ意図を持って、オペルームの配置を変えました

 お母さんに、赤ちゃんがよく見てもらえる配置に

 といっても、いつも患者さんの足元側に配置する赤ちゃんの処置台、インファントウォーマーを、お母さんの頭もとへ移動させただけですが 大分、頭側に。お母さんが手術を受けているベッドに寝た状態で、横を向いたら赤ちゃんの処置台が見えるようにしました これで赤ちゃんの状態が悪く、壮絶な場を目撃することになったら大変かな?と思ったけれど、自分の赤ちゃんの事だもの、ちゃんと見ていたいだろうって考えたのです。(自分勝手な想像ですが

 それも、準備に来ていた助産婦さんが勝手にウォーマーの位置を変えたり出来ないように、電源のコンセントや酸素の配管、吸引の配管などのコードをまとめ、出来るだけ「これ以上移動できませんよ!」という意思表示をしておきました

 カンガルーケアを考えるにあたって、やっぱり生まれた赤ちゃんをちゃんと見ていたいっていう気持ちも在るんじゃないかなって思ったんです。何をしているか分らないのにアラーム音ばかり聞いたり、姿は見えないのに声だけ聞こえたり・・・それって淋しいかもって思えました。まず出来る、うちの病院の改善点から!
 今までカイザーについては色んな「なんで?」を抱えていた私。けど何にも行動できずに申し訳なかったけれど、少しでもやっぱり「自分の子供が生まれた」っていう喜びを、視覚でも見せてあげたいんです。五感で感じる喜びって、絶対忘れないと思うもの

 生まれた赤ちゃんは、術野で臍の緒を切ります。
 赤ちゃんを抱き上げた産科医は、

「見て見て!この子、生まれたばかりなのに僕の手をしっかり握ってる!」

 珍しく明るい声で産科医が言いました。きっと赤ちゃん、必死で近くにあった先生の腕をつかんでいたんだろうね。

「ホントだ!」

 直接介助をしていた緊張した面持ちの後輩からも、笑顔
 
「反射って凄いね。」

 こんな場面、何度も立ち会っているだろうに、産科医はまるで子供のように嬉しそうにいいながら臍の緒を切り、そのまま小児科医へバトンタッチ

「思っていたよりずっと体重あるだろう?」

「そうですね。少し小さいだけですね。」

 二人の間に、安心したような会話が飛び交いました。
 赤ちゃんがインファントウォーマーに寝かされると・・・・

 おっ!見える見える!

 赤ちゃんが両手両足を上へ向けて、ばたばたしているのがちゃんと見える!

 助産師さんに顔を拭いてもらってるきゅっとした顔が見える見える!


「どう?見えるでしょ?」

 声をかけた瞬間、丁度壁になっていた若き小児科医が位置をずれてくれ(気配りではないんだろうけどさ・・・ 、ふんがふんがとじたばたする赤ちゃんの姿が!

「あっ!うんうん!見える見える!

 あぁ〜〜〜!!! 可愛いっ!
 



 まっかっかでくしゃくしゃの顔で、頼りなげに泣いてぜんまい仕掛けのように動いている赤ちゃん。お母さんの口を付いて出たこの「可愛い!」の言葉に、今日の私の全ての苦労が流れていく感じでした。


 あ!やったね!


 心の中で、位置調整して部屋を準備していた自分にエールを送りました。

 やったね!私!
 
 
 インファントウォーマーで処置を受ける赤ちゃん。ばたばたと忙しなく動く医師と助産師さんは気づいていないようだったけれど、ちゃんと全部お母さんに見えていました。

 ちらりと見た、小児科医の顔。
 真剣な表情と共に、チラッと見せる柔らかな顔が印象的

 きっと彼は、私がお母さんにちゃんと赤ちゃんを見せてあげたいって思ってるのに気づいてる。

 時々お母さんの様子も見てくれてるみたい。
 お母さんからの視線を遮らない位置で処置してくれてる。

 たまたま今回私が担当だったからだと思うけれど、小児科のこの先生、赤ちゃんとお母さん、そしてちゃんと私の想いまで受け止めてくれているんだな。

 そう感じて、嬉しかったです
 私は手術室看護師として、お母さんを看る立場。

 その「お母さん」の気持ちまで守ってくれる小児科の先生、ありがとうね
 私の我侭で、カンガルーケアに巻き込んでしまっているようになっちゃったけど。

 インファントウォーマーの位置も、気づいてた?

 えへへっ

 これだけでも随分違うでしょ!
 先生にはちょっと緊張だけどね。お母さんにジーっと見られてるからね

「おめでとうございます。」

 と声をかけると、

「ありがとう・・・ありがとうございます。」

 感激でした。私自身もこんなに素直におめでとうの言葉が出てきたのは始めてかも。始まる前は小さな赤ちゃんで何かあったらどうしよう、お母さんに何かあったらどうしようってはらはらしていたけど、出来る限りの細かな管理と元気な赤ちゃんのお陰で、お母さんの状態はとっても安定していました。子宮収縮剤で起こる吐き気もなし。すごーいっ!

「先生、とりあえず赤ちゃんは小児科の方で預かります。何もないですけど、やっぱり少し小さいですから。」

 小児科の先生は手を降ろして産科医に声をかけました。

「あぁ!分りましたー。お願いします。」

 この小児科の先生に信頼を置く産科医は、全てお任せと言った感じ。
 赤ちゃんは小児科入院のようです。オペ室で出来る処置は終え、小さいとはいえ元気な赤ちゃん。助産師さんがお包みにつつんでくれ、

「おめでとうございます。」

 と、近くに連れてきてくれました。いつもここまでは助産師さんもしてくれます。人によってはそれすらしてくれない方も居ますが 自分の手から顔だけ見せる格好で、頭お母さんのもとへ、まるで箱の中身をちらっと見せる程度

 いいえ!私が担当の時はそうはさせませんわよ!

 私は慌ててベッドの下にもぐり、お母さんの手を出す準備!

 近くにいた主任さんも赤ちゃんが引き取られる前に

「触って触って!!!」

 と声をかけてくれる

 保温の為にお母さんの腕にかけていたタオルを剥ぎ、腕を自由に動かせる状態にすると、お母さん、おずおずと手を伸ばしながら



「触っていいの!?」



「勿論!!!!」


 私と主任は同時に応えていました。


 誰が産んだの?

 誰の子?

 あなたの子だよ

 あなたの赤ちゃんなんだよ

 
 赤ちゃんが触ってっていってるよ

 誰よりもあなたに、触れて欲しがってるんだよ


「わぁ〜、可愛い!あったかーい!」

 このお母さん、二人目の子なのに、まるで今やっと第一子を得たような喜びでした。 「触っていいの?」と聞くところを思えば、きっと第一子のときは見ることも触る事も叶わなかったのかな・・・

 ホントだったら、抱きしめてあげて欲しいんだけど

 ふとそう思って、どうしようかと一瞬迷っていたら、助産師さんの後ろに小児科の先生がいてくれてることに気づきました

 そういえば、赤ちゃんがお母さんの近くに来た時から、先生もちゃんと傍にいてくれてた。
 私が赤ちゃん抱かせて挙げたいって思ってるの、気づいたかな?
 うちのカンガルーケア、まだ発動してないんだけど

 ちゃんと背後で見守ってくれている先生。私が「抱かせてあげてもいいですか?」と聞けば・・・・ ここで躊躇しなければ良かったんです・・・・

 けど、実際は思ったよりも考え込んでしまってたんでしょうね

「じゃ、お預かりしますね。」

 と言って、助産師さんがそのまま引き下げてしまいました。

 ありゃ!?

 という肩透かしあり。 ・・・・まぁ、助産師さんにはまだ話してなかったから・・・・

 躊躇わなければ良かった!!!!
 小児科の先生に良いかどうか聞けばよかった!!!!

 
 小児科の先生は、きっと私がそうしたかったこと、気付いてたはず。
 いつもはこんな風にお母さんとのふれあいに、傍で付き添ってくれたりしないもの。
 いわずに見守ってくれていたんだと思う。
 まだ出だしだってことも知ってるし

 小児科の先生は、ちゃんとお母さんと赤ちゃんを見守ってくれていたのになぁ・・・。
 きっと抱いても大丈夫なくらい元気な赤ちゃんだったんだと思う。

 けど、私が躊躇ってしまったんだよなぁ・・・・

 残念です。

 あぁ・・・・ちょっと後悔

 ごめんなさい、お母さん・・・・

 赤ちゃんのいなくなった後も、横に見えるインファントウォーマーをじーっと見つめていたお母さん。ちょっとずつ頑張れていたのに、最後の勇気がなかった自分が悔しいです。
 右手でそっと赤ちゃんを触り、小さな手と握手をしただけであんなに喜んでくれたお母さん。きっといい関係の親子になれると思います。その最初の絆、もう少し深めてあげたかったな

 それでも嬉しい事に、

「ほら。触って。」

 と言って右手を差し出した瞬間、赤ちゃんがうっすら瞳を開けたんです

 あ!目を開けた!

 私、思わず声が出そうになりました

 赤ちゃんが生まれてすぐに笑う事、生まれてすぐにうっすら目をあること、知っていましたけど初めて見ました。その開いた瞳でお母さんを一番最初に見ることが、赤ちゃんにはとても大事な事なんだという説を聞いたことがあります。自分を守ってくれる人を、おぼつかないながらも確認しているんだと。
 もしかして、インファントウォーマーの上でも瞳を開け、真剣な顔で処置してくれる先生を頼もしく見つめていたかもしれないけれどね

 うっすら開いた赤ちゃんの瞳は、真っ直ぐにお母さんに向かっていました。自分がしっかりと握り締めた人差し指の持ち主であるお母さんを、確認するかのよう

 これを感動といわずに何と言う!?確かにそこに、お母さんと赤ちゃんの絆がありました。目には見えない、優しく暖かい緒。
 ちゃんと結ばれていました

 本当に素敵な一瞬でした。小さくて、何にも出来なくて、手を離してしまえば泣く事しかできない赤ちゃんなのに、ちゃんと目を開けてお母さんを探してる。温もりを感じて、自分を守るのがこの人であることを確認している。それは命の強かさともいえるし、命の躍動とも言えるもの。
 赤ちゃんが目を開けた瞬間を、お母さんの傍で迎えられたことは、何も私の采配ではなく、小児科医の采配でもなく、きっと神さまの采配。運命的な偶然。けれど、その偶然の為に一杯一杯頑張れた自分が、ちょっと嬉しい

 だからこそ、抱っこさせてあげたかったな

 ますます、カンガルーケアの重要性を感じた私です。

「見た?目を開けたの、分った?」

 と、赤ちゃんと離れて手術が続くお母さんに聞くと

「うん、見た見た!」

 赤ちゃんの後ろで成り行きを見ていた小児科医は気づかなかったと思うので、まだそこにいた彼に聞こえるように言いました。

「目、開けてくれたね。」

 それがとても素晴らしい奇跡である事を、彼はちゃんと分ってくれてるだろうからね。

 凄くすごく、感動的なお産でした
 やっぱり大学の時、助産師免許取ればよかった〜〜〜

 またしても、色んな人に支えられ、色んな人に守られた手術でした。

 よくよく考えたら、あの場で一番私が考えていた事を理解してくれ、赤ちゃんだけじゃなくお母さんまで診てくれていたのは、あの小児科の先生かもしれません。だからこそ、そっと近くでお母さんまでも見守ってくれていたんだと思います。
 いつもこうして、気づかれないような静かさで、寄り添うように助けてくれる先生だから。きっと改めてありがとうを言うと、「何の事?」というに決まってます
 そうして誰かを丸ごと受け止めて、丸ごと支えてくれる、いい先生です。

 だからいつも頼りにしすぎてすいません

                        

 長くなりました。悲しい事を書くスペースがないくらい 帝王切開の時の私は、意外と色々考えてるでしょ?少しくらいの苦労もしんどさも、こんな素敵な奇跡があるなら、やってやろうじゃないの!という気分です。

 人は一人では生きていけないなら、喧嘩するより貶しあうより争うより、助けて支えて笑いあった方が良いに決まってます。だって自分もそうして欲しいし、そうしてあげたいですからね。

 宗教が違っても言葉が違っても肌の色が違っても

 けれど、人間の心だけは、どんなに文明が進んでも手中に収めることはできないものだとも知りました。

 空を見上げると完全な冬の星空。その中に動いていく飛行機の点滅灯。間違って一つの星だと勘違いするほど。
 人間は星空までも自由に描けるのに、一番身近な自分の心人の心だけはどうにもならない生き物です。手に入れることも出来ないし、コントロールする事もできない。感情一つで銃を向けることも出来る、花束を贈る事も出来る。赦す事も出来るし愛する事も出来る。

 その心が、この世で一番手に入れることが難しいものなんですね。

 誰かの心を得たとしても、得続ける事が出来るとは誰にも言えない。
 愛すら、続くとは断言できない。

 けれど、人間は良くできたもので、続くものだと信じる事は出来る。



 今日、仕事中の彼の人を見ました
 病院に仕事できていたところを、私が一方的に見ただけですけど

 仕事中なので声をかけることもかけられることも、視線を合わすことも出来ませんでした。
 けれどその横顔が、とても素敵でした
 好きだから、という欲目ではなく、とてもとても、綺麗だったんです。
 仕事に没頭する、真摯に向き合うその姿が、眩しくて見つめ続けられませんでした。

 この人でよかったと、思いました。
 10年ぶりに本気の恋をしたのがこの人で、本当に良かったと・・・
 間違っていなかったんだと、感じました。

 横顔を見つめながら、その人が生きる道がそこにあること、そして私がそれを助ける事が出来ない事を、思い知らされるようでした。

 落ち着いた穏かな横顔、凛とした息を呑むような清々しさを湛えた横顔・・・。

 この人が今充実している事、
 幸せなんだと言う事、

 私など必要のない事・・・・わかった気がしました。

 たとえ幸せでなくとも、私ではその隙間を埋めることが出来ない事を感じました。
 「二人」で生きていく事を選んだんですから、私は必要ないですよね。

 私があの人にしてあげられることは、考えるよりずっと少ない。
 きっと、ほんの一部もない。爪の先ほどもない
 
 仕事をする横顔を盗み見る様に見つめながら、思いました。

 そして、涙が零れました。
 私の中にこんなにもこの人がいるのに、この人の心の中には私一人の隙間もない。


 そして何より、

 この人は私の支えなど必要としていないことに、声を上げて泣きたい気分でした。

 この人の幸せに何一つ関われない事が、こんなにも切なく哀しいんです。

 
 何一つ自由にならない。
 自分の気持ち一つも、自由に出来ない。

 人間とは、不自由な生き物です。
 

 そんな人間を、犬であるわんこがおろおろしながら見守ってくれています。


 この子はいつも、私が泣きたい気持ちなのを気づいてくる。
 先回りしておどけて見せる。

 笑顔になって「いい子ね。」と頭を撫でてくれるのを待ってる。


 笑っていたら、いい事があるかもよ。



 そう、教えてくれます。



 嘘でも前へ―――

 嘘でも、笑顔で。

 嘘が、本当になるまで・・・。


 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今回のお母さんの気持ちが、手に取るようにわかりました。私まで泣きそうになったよ。小さな努力だけど、すごく大きな意味をもつと思うよ。
 私のときに、うまうまちゃんだったらよかったな・・・。
 では、私の4人目は、カンガルー実行してね♪うまうまちゃんが率先して頑張ってね!!!
まゆき
2008/12/22 23:23
 まゆきやんの二人目の時、私休みだったんだよねぇ〜。何でもしてあげたのに!

 手術場って、考えると意外ですが、「希望」の詰った所なんだな。だから、「誕生」にも一杯の希望を添えて挙げたいんだな。私が関われる事は本当に少ないんだけど。
 ちょっとづつ、カイザーも「出産」である事を伝えて行きたいって思うの。カイザーってだけで何だか「手術」ってことになるもんね。確かに手術なんだけど、それより前に出産だし。
 一人では頑張れない事も一杯あるから、みんなに助けてもらうんだけどね。支えあっての事!

 頑張りますよ〜!!本当に遣り甲斐のあることだもん。カイザーになっても安心できる環境でありたいもんね!
 いつも思うけど、出産ってすごい事だよねぇ…。
うまうま
2008/12/23 19:21

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