〜近畿☆瀬戸内☆うまうま交響楽団 ♪

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<<   作成日時 : 2009/07/30 22:55   >>

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 オペナース暦○年の私。年数を言えば必ず

「もうそんなになるっけ?」

「ベテランじゃ〜〜。」


 誰からもそう言われる年頃です。私が入社した時からいる先生などは、それぞれのスタッフの遍歴を知っているので(何故そんなに詳しく?と思う事もあるけれど)、先回りして「オペ室行って長いよなぁ〜、骨埋める?」とか言う人も中にはいる

 何がいいたいかといえば、私もオペ暦が長くなったという事です。

 つまり、うちの病院で経験できる大概の事は経験しているということです。果ては、酸いも甘いも知っているという事で、体験できる範囲のぐちゃぐちゃどろどろも知っているということです。

 付け加えて言えば、それ↑が指す所はスキャンダルではなくて、オペ室でみる怪我や骨折や損傷や・・・ん?外科で言えば・・・・腐ったのとか膿んだのとか?穴開いたのとか? まぁそんな、言葉悪いけれど「見るも無残な」ものたちのことです。
 看護師さんを含め医療従事者は、大概のぐちゃぐちゃどろどろは平気です。スプラッタ映画とかも、ストーリーを追っているから恐くなるだけで、場面場面のスプラッターな飛び出た臓物とかナンとかカンとかは、映像として興味深く眺めたりするものです。けど、中にはどうしても駄目という人もいたりしますけどね。仲良くさせてもらっている先輩は、手や足を切断する手術には付きたくないって言ってましたし。

 私が苦手なのは、血や内臓やぐちゃぐちゃどろどろではなく、汚物の方です。汚物と言っても、下から出るものはなんだって平気。匂いも平気だし、処置した後に綺麗になるのがすごーく爽快だったりする人間です。けれど、どうしても上から出るモノは苦手・・・ 本来出るべきところではないところから出てくるものは、結構苦手意識が強いです。下から出るモノは本来出るところから出てる訳だし、血液が出るのも血管から出てるから平気。

 まぁ、こんなことを詳しく書くのもナンなのでここまでにして・・・。

 また飛んだけれど何がいいたいかといえば、結局私はどんなことでも大概平気という事なんです。切断する足も手も平気だし、変な風に曲がった高エネルギー外傷での開放骨折なんかも平気だし、何が起こったのかエンドトキシンショックで開腹手術になった人の、腐って溶け出した胆嚢の摘出も平気。パンペリも、羊水濁った帝王切開も、意外と冷静で居られます。
 平気というのは語弊があるかもしれないけれど、何が起こったのか原因究明がしたくなる体質です。平気と言うのは、気分が悪くなったり見たくないって思うことがないという事ですね。逆に人間の身体の不思議とか、柔軟性とか、凄さって言うものの神秘を感じてすごーいって思うこと仕切り。それで結構ガン見して観察したりする訳です。

 こんな私ですが、今日ばかりはちょっと言葉を失いました。

 私が器械出しじゃなくてよかった・・・・って、ちょっと思ってしまいました。
 付いてた後輩、すいません・・・

 人間の身体って、凄いんです 車に轢かれたら事故死することもあるけれど、怪我だけで済む事もある。弱そうで強くて、強そうで弱い。生態系の頂点に居て、文明と文化をほしいままに進化させて、自分の命を簡単に奪うものですら手中に収めている「人間」。
 簡単に殺されて簡単に殺す存在でありながら、簡単に死ねない存在。

 良くこんな怪我で助かったなぁという症例に会うたび、私は人間の身体の作りの凄さを感じてしまいます。「助かる」のは自分の意思とか能力とは関係なく、それぞれが同じだけ持っているその身体の「進化の過程」の賜物なんだなと思ったり。同じ事故で亡くなる方もいれば、助かる方もいる。そういう奇跡や運の話ではなく、一人ひとりが同じ状況で事故にあっても、きっと皆『これだけの怪我で済んだ』って結果になる身体の不思議は、それこそ神の領域だと感じます。
 なかなか上手く伝えられないけれど・・・

 今日の日勤の仕事終りにかかってきた電話を取った主任さんが、遅出勤務の私に向かって言いました。
 
「これから緊急手術がはいるわよ。」

 いつもの事なので、はいはいと聞いていたんです。

「いつはいるの?すぐですか?」

「ううん。検査回って、来れる状態になったら連絡くれる予定。」

「ふぅーん。」

 そんな会話をしながら、遅出勤務の3人のうち、誰が器械だしで誰が受け持ちでって担当を決めていたら、もう一人の主任がばたばたと入ってきて

「うまうまさん、緊急オペは子供よ、子供。足の怪我。」

 じゃあ全身麻酔だなぁ・・・

「2歳の子が4トントラックに轢かれて・・・・」



 2歳の子が4トントラックにっっっ!!!!!?????


 4トントラックって、どれくらい!?


 黒猫さんくらい!?


 飛脚さんくらい!?

 

 それとも、福山通運の一番でっかいやつくらい!?
 いつも会社の駐車場から出れないで右往左往しているあのトラックくらい!?


 ところで、2歳の子って小さいよね?
 
 小さいけど、どれくらい!?

 轢かれたって・・・・いきてんの!?

 手術するから生きてるんだろうけど、支障なく生きてる!?

「・・・・主任さん・・・・足の骨が全部ぼろぼろってことないですよね?」

 傍らで会話を聞いていた麻酔科医は、

「ついでに肋骨骨折があって肺挫傷があって、頭も打ってて肝損傷だったらどうする?」

「・・・・それはうちの病院ではないでしょう

「あははははーーー。なんでこんなにオペ場に情報がこないんだろうねぇ〜」

 一種の、麻酔科医の嫌味だったようで・・・
 あはははは〜と笑い合っていると、主任さんは徐にメモ書きを取り出し、



「あ、ごめん。

 4歳の子が2トントラックに轢かれたんだった。」






「全然違うーーーーっっっっ!!!!!!」






 ・・・って、その場の皆から突っ込まれたけど・・・・




 大差ないかも??????
    事故的に・・・・・・・?????

 


 緊急オペの準備が整い麻酔科医も私達も待ち構えているところへ、ストレッチャーに乗った患者さんが到着。4歳の子供さんと聞いていたし、外来で随分泣き喚いていたと聞いていたから、きっと宥めるのが大変なんだろうなぁと心していたけれど、

「痛いの・・・」

 入室の為に名前を聞いた後、近づいていった私にポツリとそう零す。

「そうだよね、痛いよね

 患者さんが見えられた時点ですぐに麻酔科医が麻薬の痛み止めを打ったので、その後すぐに痛みは軽減した様子。こくりこくりと眠気を覚えながらも、時々目を開けて

「だいじょぶ。」

 と私達の声かけに応える姿がいじらしい 泣き喚いた後とあってちょっとお疲れだったのかもしれないけれど、表情はパニック様でもなく至って冷静 傍らで声をかけている親御さんも、凄い事故だっただろうに、子供の前ではすごーく穏かで、笑顔で送り出してくれる。

 ずっと昔、小児科の先生が言ってた事を思い出しました。

「子供は親の感情を読み取ってしまうからね。」

 先生がそう言ったとき、患者である子供は救急外来で泣きやむことなく激しく泣いていたんです。その時の親御さんは2人ともどこかぴりぴりとしていて、私達医療者に対しても暴言を吐いたり、何かあれば手が出そうな勢い。

「親が不安に思ったりパニックになってることを、子供は敏感に感じ取って泣いちゃうんだよ。親が不安だから子供も不安・・・」

 子供がずーっと泣き喚いているのを心配して、何かあったらいけないと、先生はずーっと処置室で待機していました。その時、何だかとても淋しそうに、傍らでぼんやりしていただけの私に切々と話してきたのを思い出します。

「同じDNAの成せる技ですね。」

「そうそう、そうなんだよね。同じなんだよ、親子なんだから・・・」

 そんな風に返してそんな風に返されたことまで鮮明に覚えていたりして、今日はその事を不意に思い出しました。わが子の事故で大怪我を負っているというのに、取り乱すことなく落ち着いていて、笑顔で穏かに対応することで子供の不安を最大限とってくれていた親御さん。なかなか出来ることではないなと感じます。それに答える子供もまた、突然の事で訳分からなくて、しかも凄く痛いはずなのにとても落ち着いていて、泣き出したい気持ちをどうにかこうにか押さえていてくれる。

「痛いよね、でもちゃんと治そうね。」

「お母さん達、外で待ってるからね。」

 色んな声が飛んできて、それに一つ一つ頷いて、

「喉が渇いたから、終わったらジュース飲める?」

 なんて聞いてくるのがとても可愛らしいんです。

「そうだね、終わったら美味しいの飲もうね。」

「お母さんが買ってくれるかな?」

「うん、買って待っててくれる様に言っておこうね。」

 そんな会話をしているうちに、導入剤の効果があって、全身麻酔へ。
 かけていた麻酔科医も

「4歳なのに立派な子だったね。」

 と感心するほど。

 麻酔がかかり、外来でガーゼ固定されていた足の怪我を捲ると、



「ひぇ〜〜〜〜ッッッッ!!!!!」

「うへっ。」

「いゃーーーっ!!!」




 どんなぐちゃぐちゃでも怯むことがないオペナース3人、声を上げちゃいました・・・。



 足の裏、3枚下ろし



 これが痛くないはずがない
 よくあんなに普通におしゃべりできてたなぁ・・・。
 麻薬を使っていたとはいえ、ちょっとの量なのに。

 大人なら、絶対絶叫してる
 手がつけられないくらい暴れてる。
 失神してるかな・・・。

「子供だからこそっていうところもあるよね。」

 整形外科医は傷を洗い流しながら言う。

「にしても、これは惨いです・・・」

 応援に駆けつけた整形外科医も、傷を見るなり

「・・・・こりゃ凄いな・・・

 どんな状態での事故だったのか私達は全然分からないし、どんな事故だったらこんな怪我になるのかも想像が付かない。言い換えれば、人間の身体は外部からの力に対して無力なこともあれば、考えも付かない方法で身体を守ることもあるということ。

 「轢かれた」、「事故」、という言葉から考えられるどんな怪我よりも、想像ができない傷でした。

 いつもはプロ意識(といいたいけれど)満載でまじまじと眺めて対応していくけれど、今日ばかりは駄目でした。見ないように・・・・見ないように・・・でもちょっと関心もある・・・けど駄目だーーー。

 器械出しについていた後輩も

「・・・・すごいっす・・・

 他に言葉が見当たらない。
 傷を綺麗に洗い流し、形を整えて縫合した後は、どこがどうなっていたか分からないほどになりました。横一直線に足の裏に傷が出来た程度。

「元の足に戻った

 とみんなで言い合った程です。

 色んな怪我や病気を見てきたし、その度にこの世で起こる色んな事象を見てきたけれど、考えの及ばないことってまだまだ一杯。それに対応していく医療もまた、固定概念に縛られていてはなーんにも出来ない。起きたことにちゃんと対峙していかなきゃいけない
 オペは救急っていう範疇。どんなぐちゃぐちゃもどろどろも、果てはめりめりもむきむきも(?)あり。大概の事は冷静になれるけれど、今日はまた一つ経験値です。

 それにしても、子供の身体の柔軟性って凄い 足の肉がそんな凄い傷でも、骨折は治療要らずの小さなもの。まだ骨に成長線がはっきりくっきりの4歳。私にはどこが骨折でどこが骨端線なのか分からなかったし。 (この骨端線離開は厄介なんだけど)
 久しぶりに、完全(?)ナースのお仕事!でした。

 麻酔からさめて病棟に帰って行った子供さん。
 おいしいジュースが待ってるね!

 すぐそのうちに、病棟を松葉杖で走り回るこの子の姿が見れることを願って・・・。



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