仕事の愚痴を書くのは駄目なんだと分かっているんですが、ちょっと考えることがいっぱいあります。今年からうちの大ボスである師長さんが変わり、体制ががらりと変わりました。共産主義から資本主義へ変わるような、ある意味劇的な変化。 トップが替わるというのは、かなり大きなことなんだと感じたのが今回の異動人事。たんなる平の私だけれど、それなりにベテランと言われ、病院の実情や流れを知るようになってきたせいか、師長が変わるだけでオペ場全体が変わることの凄さを目の当たりにしました。 簡単に言えば、以前の師長と現在の師長と、考え方が180度とはいかないまでも、100度くらいは違うんです。スタッフに対する信頼の表し方も違えば、信頼の大きさも違う。それは若いスタッフに対しては分かりにくいこともあれば、分かりやすいこともあったりして、時々 「師長の考えていることが分からない。」 というスタッフに対して、師長の思惑を説明してあげたりすることもあります。 現場にグチグチ口を出さないというのが今の師長さんかな。けれど、裏に回った管理能力の凄さはまぁ凄くて ![]() いい感じに変わったといわれるのが大半のオペ場の意見だけれど、私が一つだけ気に入らないことがあるんです。 師長さんは、「国家免許」をもった「看護師」であること、「プロ」であることを求めます。確かにそうです。師長さんだけでなく、患者さんも先生も、私達にそういう事を求めるはずです。 けど・・・ ![]() 「看護師」であるけれど、私達は人間。患者さんと同じで、先生と同じで、師長さんと同じで、勿論病院で働く他のスタッフとも同じ。 「看護」の根本には人間対人間の関わりがあって、大きく言えば人間愛とか人類愛とか、そう言った要素が大きいものだと感じていた私としては、 「免許を持ったプロとしての仕事をしなさい」 と言われる事がちょっと切なかったりします。 それがどんなところに出るかといえば、 「看護師なんだからこんな仕事はしない。」 「看護師なんだからこんな仕事はすべきではない。」 という風に若者達が考えてしまうこと。 コメディカルや看護助手さんや、チームで仕事をしている人達に、「免許持ってるプロだから」と言って突っ張ねている様に見えてしまうことが多い事なんです。 変に言えば、天狗になってる? ![]() 看護師って確かに免許持ってるけど、私もよく「国家免許よ!」というけれど、だからと言って凄い訳じゃないことはいっぱいある。勿論、注射したり、処置の介助したり、先生の指示で投薬したりするのは看護師だからこその仕事で、免許がないとできないこと ![]() でも、看護師の免許持っていて看護のプロだとしても、人生のプロではないし、ママのプロではないし、コメディカルのプロでもなければ放射線のことも分からない。 役割分担をしているのだから、役割に似合った仕事をしろというのが師長さんの言い分なんでしょう。私もよくわかります。必要な時は自分の仕事、看護婦である自分にしかできないことを優先します。 でも、優先した仕事をするという事は、他にやらなければならない仕事を人にやってもらうわけだから、「お願いします」の気持ちが必要。 何だかイメージが沸きにくいことなんでしょうが、私には最近とても気になることがあるんです。 この私の考えは、師長さんや主任さんとは違っているので大きな声で指摘できないことなんですが。 手術が一つ終わると、部屋を片付けて次の手術の準備をします。 物凄く汚くなっているので、綺麗に掃除をしてから準備します。 オペ場には看護助手さんがいて、物品の補充や掃除、環境整備などを請け負ってくれていますが、如何せん一人しかないので、一人で出来ることは知れているんです。一気にオペが二つ終われば、2部屋掃除するのはどうしても時間がかかる。だから私は、手が空いていれば手伝います。そのほうが早く片付くし。 でも、それは上司曰く、「看護師の仕事ではない」と言われるんです。 掃除は、看護師の仕事ではない。掃除の為に看護助手さんがいるのだから確かにそうかもしれないけれど、かのナイチンゲール看護の中にも「環境整備」の必要性はとかれていて、看護師だから必要な仕事と、看護師だから必要でない仕事の線引きなんてどこにもない。逆に看護師の仕事は誰に出る出来る仕事。 患者さんの為に次の手術場を綺麗に整えること、自分の使った部屋を綺麗に片付けることも、看護師の仕事ではないと言われてしまう。(次の手術の為に物品の準備をするのは看護師の仕事だからみんなやるんだけど。) 私は既にベテランと言われる人間で、上司がなんと言おうと自分の言い分を持っているので、言い返せたりのらりくらりと受け流したりして掃除をしているのですが、掃除なんて結局は面倒くさいことの一つ。 後輩達、しかも下の子たちは、 「(面倒くさい)掃除なんて看護助手さんの仕事。」 と決めてかかているようなのです ![]() 「掃除は私がすることじゃない ![]() という感じがして・・・・これは私の捉え方一つなんでしょうが・・・・ 「看護助手さんがやるのが当たり前、早くして!次があるんだから!」 と言った感じの対応をするのが、とても気になるんです。早くして欲しいなら自分も手伝えばいいじゃん・・・って思う私 ![]() 愕然としたことが、金曜日にあったんです。 一つの部屋で手術をしている間に私の部屋の手術が始まり、遅出3人では対応できなかったので、日勤の看護師2人に居残りしてもらい、手術対応をしていました。初めに始まったほうの手術の器械だしと受け持ちを日勤が勤め、丁度私の手術が終わる一歩前に、手術を終えて患者さんは退室して行ったようです。患者さんが出ていった時点で日勤さんは帰宅。 遅出勤務の後輩が一人、フリーとして隣の手術の退室を手伝い、私の部屋の手術の退室を手伝ってくれました。患者さんを無事に病棟へ引き継いで、二部屋の片付けをしなくちゃな〜 ![]() フリーとして動いてくれていた後輩の一人は、私の部屋の片付けをしているようなしていないような動きでうろうろしている。 私のところの手術が終わるまで、何していたんだろう? 掃除していたんじゃないのかな? 隣の部屋を片付けていたんじゃないのかな? 看護助手さんの退勤時間はとっくに過ぎているし、後は全部自分達でやらなきゃいけないはずだから、隣の部屋を最後まで掃除してから手伝ってくれてもいいんだけどな・・・・ 遅出の勤務の時は、看護助手さんの退勤時間を過ぎると、全部自分達でやらなきゃいけないうえに、遅出特有の仕事も加わってくるので、意外とばたばたします。だから効率的にそれぞれがそれぞれの仕事で動いてほしいと言うのが私の考え。だから、一部屋を2人でのこのこ片付けているのはちょっと非効率的かなと思ったのです。 一人一部屋を片付けて、早いほうが薬のチェックなどに回れば・・・・と思いつつ、隣の部屋のあの、放り出されたままのゴミたちはどうしたんだろうかと疑問に思っていたんです。 「ねぇ、隣の部屋の掃除はもう終わったの?」 あんまり気になったし、これ見よがしに部屋を覗くのもいけないと思ったので、後輩に聞きました。私の担当だった部屋の掃除でも、後輩はぶらぶらと麻酔器周りの片付けしかしないで、ゴミは散らかり放題、リネンは山積みのまま。人それぞれ掃除の手を付ける順番は違う訳だし、別にそこは気にしなくてもいいんだけど、掃除する気あるのかな?ないなら別の仕事振ろうかな?と・・・。 すると後輩、 「終わりましたよ。」 すぐさま断言。 え?ごみ、放りっぱなしだけど? 片付けるべきものが廊下になげだしてあるんだけど? 後輩を疑うのも悪かったけれど、中途半端に終わっているのは気になったので、後輩が別の用事で部屋を離れた隙に隣の部屋を覗くと、 「あれ!? ![]() 私が挙げた素っ頓狂な声に、顔を上げる看護助手さん。 「えーーーっ!!!!???? 何でまだ居るのーーー!!!??? ![]() 時計はとっくに看護助手さんの退勤時間を過ぎていて、今日の手術は落ち着いていたはず。退勤時間には暇だったはず。手術が終わるまで残ってろって言われたの!? 以前から仲良くしている看護助手さんだからというわけではないのですが、いつもいつも残業して、いつもいつも怒鳴られて、酷い扱いとしかいえないような職場で、それでも頑張ってくれている人だからこそ、金曜日くらいは早く帰って欲しいし、今日は絶対早く帰れる!と思っていたのに、隣の部屋で黙々と掃除している助手さん。 「何でって・・・・。」 自分でも分からないと言った顔で首をかしげ、 「何ででしょうねぇ・・・」 かえるに帰れなかった、と言うのが正しいのかもしれません。看護助手さんは何故か、看護師が「帰っていいよ」と言うまで帰れない風潮があったりする。 変な職場! 「もういいですよ〜〜!!!帰ってくださいよ〜!私達遅出もあきましたし。」 「・・・・そう?」 「だってもう退勤時間ずーっと過ぎてるじゃん。」 「だけど、帰って良いよって言われないし。」 「言われなくても帰っていいよ〜。だって、今日そんなに忙しくないんだし。」 助手さんはなんともいえない顔で苦笑い。 「もう!後輩が、隣の部屋の掃除は終わりましたって言うのに、モノは溢れてるわ、ゴミはそのままだわの状態で、変だなーと思ったら!!!!」 「・・・・・掃除は助手がするものなんでしょう・・・・。」 「でも時間って言うものがあるんだし!持ちつ持たれつなんじゃない!?」 「所詮助手ですから・・・」 なんか違う ![]() そう思ったのはこのとき。 前から変だと思ってたけど。 「後輩のアノ子が、『お願いします』って言ったの?」 「・・・ううん・・・でもいつまでも掃除しないし・・・・」 「当然のように押し付けられたわけ!?」 なんか違う。 看護師だから掃除しないって言われたら、看護助手さんが退勤した後、誰が掃除するの?看護助手さんの生活はどーなんの? 残ってもらうならせめて、『お願いします』とか、『いいですか?』とか・・・・ 「もういいから、帰ってくださいよーー。後やります!私がやりますー!遅出の時間はかなり余ってるし、出来ます!」 「・・・・そう?いいかな?・・・・」 そういいつつ、看護助手さんはその後も色んな仕事を「ついでだから」と言って助けてくれ、帰っていかれました。 その時後輩がしていたことは、何だかよく分からず・・・・ でもまぁ、後輩には後輩の考え方があるから・・・ 後輩は後輩の考えで仕事を遂行しているんだし・・・ でも、何だか切ない ![]() 私が掃除をしていても、手伝う訳でもなく?まぁ、人それぞれの仕事をすればいいわけだから、別に手伝って欲しかった訳ではないけど、遅出の仕事の何をするわけでもないような気がして、姿を探せどどこにいるか分からない。 仕事上手ではあります。 先へ先へ仕事をするのは上手です。 けれど、そこへ行き付くまでの過程は、敷かれているものとおもいがちなのが、若いスタッフ。 大きい一つをこなすのはできるけれど、そこへ辿り着くまでの道程は、人がやるものと考えがち。 「だって、教えてもらってないもの。」 「知らないもの。」 「だってそれは○○さんがやるものでしょ。」 なんか ちがーーーうっっっっ!!!!! ・・・・・って思うのは、私だけ? ♪ 掃除は看護師の仕事ではないと言う考え方も馴染めないんだけど、それを若いスタッフが都合よく考えているのがとてもいや ![]() あんまりいや過ぎて、朝のミーティングで 「やってもらったら、せめて『ありがとう』って気持ちは伝えてくださいね。助手さんだから当たり前とか、看護師同士でも、やってもらうのが当たり前とか思ってちゃ駄目だからね。」 って言ったのに ![]() うまうまさんって、小言の煩いお局になっちゃってる感じ ![]() こんな私ですが、なんと・・・・ 9月からローテーションしてくる若者のプリセプターに指名されてしまって ![]() 何がなくとも、『気持ち』の通うスタッフを作るぞ! でも、この後輩も頑張ってるの。それは良く分かるの。 ただ、周りが見えてないのかも。 自分が頑張れるのは自分の力もあるけれど、周りがそれを可能にしてくれているってことに、気付けてないの。 自分ひとりで出来ている気になっているの。 助けてくれるのが当たり前だと思っていたり、やってくれるのが当たり前だと思っていたり、お膳立てしてもらうのが当然だと感じていたり。 だから、自分が成したことに有頂天になっていて、分かち合ったり分け合ったり出来ないまま。 それとなく言うんだけど・・・・ ![]() でも、とても良い子なんだよ。 今、丁度、境目にいるんだと思う。 ここから先、どう進むのか、その分岐点。 自分に行くのか、人へ向かうのか。 だから今、この子はとても大切な時期。 だからこそ、一歩技術が遅れても、二歩知識が遅れても、優しい気持ちを大事にしてほしいな。 だからとても、私には気になる一人の後輩。 器械だしが出来るから偉いんじゃない。 外回りが出来るから偉いんじゃない。 気付いてほしいんです。看護は人が対象であることもさて置き、自分の周りには沢山の人が関わっているってこと。 世界が広がると、きっとこの子はもっと伸びる。 可愛い笑顔で、きっと皆が癒されるはず ![]() だから、私の願う理想像のように、育って欲しいんだな。 人の気持ちを大事に出来る看護師さんになってほしいな。この先手術場を出たとき、オペ場にはこんなに素敵な看護師さんがいたんだって、言われるくらい ![]() オペ場のうまうまさんは、結構異端児です ![]() |
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臨機応変とか 持ち場の仕事 やさしい人と思った。 |
村石ふとし 2009/08/30 13:05 |
名古屋からありがとうございます♪共感していただけるところがあるとは、嬉しいです。(良い意味で捉えてよかったのかな?) |
うまうま 2009/08/30 23:39 |
お久しぶり〜。うまうまさんの考えている事至極当然!間違っていないと思います☆ |
hoko 2009/09/05 09:41 |
うんっ!!!頑張りまっす!!! |
うまうま 2009/09/06 19:29 |
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