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<<   作成日時 : 2011/08/06 03:54   >>

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 育子、寝ている間に帰る。


 闘病中の夫の日記にあった、一行の事実。
 病床にある夫の体と休養を気遣い、睡眠を邪魔しないようにそっと病院を立ち去る妻。夫の淡々とした日記に一行書かれていた言葉が、胸に突き刺さる。

 目が覚めたとき、傍に妻がいない事の寂しさ・・・。
 その寂しさを表現できず、文学者の夫はそう事実を書き記した。

 小説「紅梅」の中の、終盤に当たる部分。作家夫妻に訪れた、夫のガン宣告と闘病、死までを妻の目線で描いた闘病記。作中にはその『夫』が誰なのか、妻が誰なのか、と言った記載も説明もなく、事実なのか小説なのか境目すらわからなくなることがあるけれど、それはまさに妻であり作家である作者の偽りのない想いの現れなのかなと思ったりもします。

 物語は夫の癌発病から始まり、最後までを描いています。同じ物書きと言う職を持ち、お互いに作家として尊敬しあい、高めあってきた夫婦が主人公。目線は妻。妻の目線だからこそ、自分が作家であることの大事さと、妻であることの大事さを天秤にかけ、上手く釣り合うように心を調整しているのに時折、どちらか片方に振り切れてしまう歯がゆさまでがありありと描かれています。
 心の葛藤、という面では、仕事を持つ妻という立場の看病がとても複雑な思いに満ちていることに気づかされます。

 そして、大事な人であるのに、仕事を優先せざるを得ないことがあったりする自分に腹立たしさといら立ちを抱え、最後にはそれが終生の枷となって襲ってくる。

 ごく簡単に表現すれば闘病記と言えるけれど、物書きと言う繊細な仕事をもち、物書きであるという視線が目の前の出来事を表現へとつなげさせ、妻である自分がどんどん小さくなっていくそのやるせなさ・・・私よりもずいぶん年上の女性、教養も地位もあり尊敬を集める主人公が、病の前では一人の妻。
 
 なんというか、もどかしさと共に、人はこうして病を見つめているんだなぁと思ったりします。

 そして、冒頭に引用させてもらった夫の日記。
 目を覚ました時、居るはずの妻がいない寂しさ。それは寂しさと表現するのは足りないほどの心の欠けなのかもしれません。
 居るはずの人がいない・・・帰っただけだと分かるのに、病院と言うこの場所に自分が残されている事実がまたひどく辛くのしかかったに違いありません。
 そして、それは今もこの瞬間も、私のすぐそばで繰り返し起きている絶望の一片。

 じゃあ帰るね、と言って帰るもまた寂し、

 目覚めたときに居ないのもまた悲し・・・。

 仕事を持ち、締め切りに追われて、夫の闘病中もペンを離さなかった妻は、最後の最後まで自分が妻として満足いく看病が出来ていないことを悔やみ、作品の最後は衝撃的に終わります。
 多分人は、大切な人を失った時、誰しもがこうした思いで悲しみと向き合うのだろうと思います。満足いく看病ができ、良かったねと見送り、自分を褒めてあげたいと言える介護者はいないのでしょう。

 お互いに愛しあっていればこそ、その責め苦を癒すこともまた時の流れしかないのかもしれません。


 「紅梅」   津村節子:著
 
 夫・吉村昭氏との最後を文学に残した作品です。
 妻を愛し、自分の闘病にも死後にも迷惑をかけまいとする夫の思いもまた、崇高です。

                     
 
 この作品を読み切った時、テレビでは、以前ブログにも書いたこうの史子さんの漫画「この世界の片隅に」がドラマ化されて放映されていました。

 にしても、いつからドラマはこんな風に『綺麗』に物語を描くようになったのでしょう?何もかもが作り物のように思えて(作り物なんだろうけど)、ダメでした。やはりあの物語はあのマンガでないと表現できないものがあります。
 原爆、戦争を描くときは、大概そういうものなのかもしれません。

 気が付けば、8月6日。

 66回目の原爆記念日です。

 ドラマを見ていて、「あぁ、太平洋戦争も原爆も、きらきらきれいな地デジ対応なんだなぁ。」と思ってしまう、アラフォーのうまうまです。いつから原爆も戦争も、美しいものになってしまったんだろう?

 その後、どこかのニュース番組では、元看護師の戦争体験者の話が流れていました。

 病院で、最後の言葉を聞く人もなく亡くなっていく若者・・・。

 何を語りたかったのか、
 誰に語りたかったのか・・・。

 前述の「紅梅」でも、夫は最後に息子に向かい、何事かを語りかける場面があります。
 人は最後、何かを語りたいと思うものなのでしょう。

 ありがとうと伝えたいことも、
 ごめんねと謝りたいことも、
 受け継いでほしい思いも、
 死にたくないと叫びたい思いも、

 誰かに・・・いえ、本当は大切な人に、家族に、聞いて欲しかったに違いありません。
 傍にいて欲しかったに違いありません。

 むしろ子を抱いたままもろとも原爆の火に焼かれた母親の方が幸せなように、病院で何の手当ても出来ず誰にも耳を傾けられずに気づかれずに迎える死の惨さを、彼女たちは語りかけます。

 あの当時、本当に生きていたことの方が幸せだったのか、分からなくなるほどの後日談がたくさんあります。今だからこそ、生きていて良かったと言える、そう思える戦後復興であったことが救いです。当時、生きていること自体に不幸を感じた人がどれほどいたのか・・・。

 それを思うと、今現在震災関連の自殺者が増え続けていることに同じ思いを抱きます。

 必ず生きていてよかったと思える日が来る・・・。
 それは、hiroshimaを体験した人が言える、一つのエール。

 hiroshimaを受け継ぐ私たちの言える、エール。


 66回目の祈りの日。
 何度時計の針がゼロに戻っても、時を刻む地球平和監視時計。
 何度リセットされても、動き続ける限り、願う気持ちは受け継がれていくのです。


 祈りを、世界へ向けて。
 全ての人が最後の瞬間、誰かの腕の中で迎えられる平和を。



 今の時期、広島に咲き誇る夾竹桃の紅色を、思い出します。

 

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