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zoom RSS 歌う様に話して・・・

<<   作成日時 : 2008/09/19 23:06   >>

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 人間は言葉をもつことで文明を開化させたという話を聞いた事があります。人間が「話」始めたことで、進化はよりスピードを増して進んでいったと言う話です。何処でだったかは忘れたし、これは確実な説ではないかと思いますが、そういう説があるそうです。

 「言葉」をもつと言う事は、逆に言えば「本音」「建前」を使い分けるズルさみたいな面も持っていて、言葉の素晴らしさは言葉の醜さと表裏一体です。
 だから、その言葉にどんな「思い」を添わせるかで、如何様にも言葉を操ることが出来ます。それを、だれぞは「進化」と呼んだのかもしれません。

 私がmixiのプロフィールで書いている好きな本の中に、

「わが指のオーケストラ」

 という本があります。私の場合、同名の自伝小説のではなく、山本おさむさんが描いた漫画の方を指しています。この漫画、日本の手話教育の第一人者の人生を描いた感動の一作です。(オススメです)

 私が大学時代、手話ブームみたいなものがおとずれていました。テレビドラマの影響だったかなんだったか不明ですが、私の周りで手話を習う人が増えていました。その後その方たちが今も元気に手話を使っているかどうか分かりませんが・・・
 
 私も以前から興味はあったのですが、手話を「語学」という観点から見てしまい中々手が出ない「言葉」の一つだと感じていました。英会話を習う時のような敷居の高さがあったのは否めません。手話サークルや教室など、教えてもらえるところへ足を運ぶ時間もなくこの歳になってしまいました。

 今日、その手話熱を再燃させることがありました。今日ではなく、昨日からかな。

 そう・・・・受け持った患者さんが、全く耳の聞こえない方だったんです。

 驚きました

 何に驚いたかって、耳の聞こえない方と接することがなかったその事に驚いたのではなく、その方の描く生き生きとした手話の表現に驚きました
 「こんにちは」と挨拶して頭を下げると、それくらいの単語なら口話で伝わります。頭を下げて名札を見せたジェスチャーで、私が手術室の看護師である事、翌日に迫った手術の担当であることも分かっていただけました。

 丁度お友達で手話が出来る方が来院されていたので、その方に通訳を頼みながらお話をさせていただきましたが、私に向かってまるで私が手話を分かっている人だと確信したように、溢れんばかりに指先から紡がれる言葉に圧倒されました。(私、殆ど分かりませんがな・・・)

 私が始めて体験した手話でした

 そして、私が始めて体験する生き生きとした、生きた手話の素晴らしさでした。

 手話はただ指先、手の平で言葉を表すだけでなく、顔の表情、首の傾げ方、動きの大きさや小ささなどで様々な程度や感覚を表します。
 私が分かる範囲で読み取ろうとする手話の速さと、紡がれる言葉の速さはもううさぎと亀。えーっと・・・・と理解している間にクルクルと変わる表情と指先。私は魅入られたように見つめていました

 不思議でした

 その指先とその方の表情・・・・身体全体を使って表現される手話に、思わず笑みが零れるんです

 苦笑いではなく、素敵なものを見て無意識に笑みが浮かぶ様な感覚でした。
 
 手話って凄い!!!!って、思いました。こんなにも情緒豊かで表現力に富んだ言葉は、今まで出会ったことがありません

 昭仁くんのMCも笑い声も、一言でどれだけ「もっていけるか」を考えながら繰り出される晴一くんの言葉も、この方の話す指先の言葉の響きには敵わないでしょう きっと晴一くんは私と一緒でビックリすると思います。「言葉」の持つ凄さに・・・

 仕事を終えて家に帰り、早速簡単な手話が分かる様に一夜漬けです。生まれつき耳の聞こえない方は唇の動きを読む口話の技術を持っている方が結構居るそうです。完全ではないけれど、状況などからかなり読み取れると聞きます。けれどこれには得手・不得手もあるもの。全身麻酔後のぼんやりとした状態で口話をお願いするのは酷な事です。
 
「痛い?」

「しんどい?」

 と言った簡単な言葉を覚えて、準備完了 当日には手話通訳さんも入ってくださることが決まっていたので安心はしていたのですが、矢張り私は自分でその方とコミュニケーションをとりたかったのもあるんです。
 何せその方、私に対して何のためらいもなく手話を使ってきますから・・・。きっと病棟の看護師さん相手にも普通に手話をしているんでしょうね。それが彼の伝え方なんですものね
 手術が終わって全身麻酔が醒めたときも同じでした。全身麻酔から醒める時は、完全に自分で呼吸が出来るようになるまで喉にチューブが挿入されたままです。咳などの反射が出てくるのを確認してからチューブを抜き取ります。
 目が覚めた患者さんは不安そうな顔で私を見ました。

「まだ喉にチューブが入ってるからね。」

 ゆっくりと言葉を切りながらゼスチャーで伝えると(そんな高度な手話は知らんけぇ・・・・)うんうんと頷いてくれましたが、

『手術、終わったの?』
 
 喉のチューブが抜かれた途端、両手が鮮やかに動きました

 「手術」を彼がどう表現するのかを術前訪問で見ていた私は「終わり」という合図を見て大きく頷き返しました。ここが傷だよ、ガーゼ当ててるからね、という意味で彼の右手を傷口のガーゼの上へ置きました。

『うん、うん・・・』

 大きく頷く彼。続いてそこを指差した後、

『痛い。』

 と・・・。 あ、やっぱり?

「痛いの?」

 昨日勉強した手話が役に立ちました 困った顔を作りながら『痛い』の手話を表現すると、こくこく頷く患者さん。麻酔科の先生は、私と彼との会話をじっと見ながら痛み止めの選択をされました。

「痛み止めをしたからね。」

 そんな高尚な手話、もう分からんわーーー!!!!

 と思っていたら、事前に呼んでいた手話通訳さんが到着。

『痛み止めを注射でいったから、もう少し待ってたら効くから。』

 ははぁ・・・・こんな風に表現るすんだ・・・・ 通訳さんの流暢な手話は手話ニュースでよく見るようなものでした。患者さんが使っている生き生きとした命溢れる手話とはまた別の繊細な感じです。
 手話を使って手術が終わったこと、ちゃんと成功したことを教えながら、患者さんが「通じる」ことに安心しているのが良く分かりました。術前訪問でも心配な様子がとっても分かっていたし、それを表現する彼の手話からは、不安な気持ちが十分読み取れました。

 生まれつき耳の聞こえない方は、自分の話す声が聞こえないから喋れないのだと、外科の先生がしみじみと言っていました。言葉を喋ることのない口元は、大きく口を開けて喉にチューブを挿入しないといけない全身麻酔時の気管内挿管ではかなりの難関のようです。『喋る』という行為が私たちの口元の表情や機能を大きく左右しているんだなと感じます。
 
 けれど、その口元は、「喋ることができない」のではないんです。耳の聞こえない方は喋れない訳ではないんです。声を出すと言う事に障害を持っているのではないのです。

 声を出す方法を知らないだけなのです。

 声を出すには、『音』が必要なんです。私たちは何の気なく話していますが、それは相手の言葉を聞くだけでなく、自分の声を聞いているから話が出来るのです。耳を塞いでも言葉を喋れるのは、声帯を震わせる感覚・技術を知っているからです。

 かつて、耳の聞こえない人にも健常者と同じ『声』でのコミュニケーションを強制しようとしていた時代があります。その頃の事が「わが指のオーケストラ」にも描かれています。本の中では、そんな時代の中で『手話』が誰にも理解される社会を理想とした主人公の生き様が本当に感動的なんです。

 患者さんの手話を見ていて思いました。耳の聞こえない人の『言葉』が手話なのではなく、手話は、耳の聞こえない人の『声』なんじゃないかと・・・。

 まるで音楽を奏でるように、私たちが歌を歌うのと同じように、彼の手話は音程とリズムと旋律を持って響いてきました。

『昨日会ったから、この看護師さんの事知ってるよ。』

 そう言ってくれた入室時の患者さんの言葉が、私ははっきり聞こえました。

                       

 少しずつ、勉強しようと思います。自分ひとりでどれだけ出来るか分かりませんが、とりあえず入門篇の本を買ってきました。病院で少しでも役に立てればいいなぁと思いつつ・・・。

『何処がしんどいの?何処が痛いの?』

『お大事にしてください』

 
 かけることの出来る言葉が一つでも多くなれますように!

 
 いつかちゃんと教えてもらえるといいな・・・。

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