〜近畿☆瀬戸内☆うまうま交響楽団 ♪

アクセスカウンタ

zoom RSS 散るには儚き・・・

<<   作成日時 : 2008/10/23 23:21   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4

 子供の上腕骨の手術中、骨折を整復したところをレントゲン写真で確認する為、レントゲン技師さんを手術室に呼び出したんです。整形外科手術では当たり前の事で、うちの病院は特に術中レントゲン写真を頻回に撮ります。先生のこだわりの一つ。きちんとしたレントゲン写真でないと、脳内イメージがしっかり出来ないというらしいです。

 技師さんを呼び出したはいいけれど、すぐに写真が撮れる状態ではなく、一針か二針程、縫合を待っていてもらう事に。
 執刀していた整形外科の先生が

「ごめん、○○さん。少し待って!」

 と声をかけると、

「いいですよ〜。今日は何枚でも、夜でも夜中でも付き合いますよ。」

 いつもならこんな時間外の手術、結構嫌々だろうにあんまりにも機嫌よく答えるもんだから

「もしかして今日は二次救の泊まりですか?」

 と聞いたら、

「そう。小児科の二次救急。」

 びんご!

 うちの病院の夜間救急、月の半分を成人か小児の二次救急をしています。数えれば二次救急当番ではない日の方が少ない位 しかも、成人より小児科の担当が特に多い。私たち手術室スタッフも、増え行く小児科二次救急の対応の為に当直に入らざるを得なくなったようなもの。
 かくいう整形外科医も時折小児二次救急の日の成人担当だったり、成人二次救急の外科領域担当などで救急当番の日に当たることは沢山。普段の一般当直もしてるんですけど

「小児科の二次、多いですからね。」
 
 私が言葉を返すと、その整形外科医、レントゲン技師さんの言葉に言いました。

「うちの病院の小児科医は、小児二次救急の為だけに居るようなもんだしね。」

 
 


 ・・・・・・・なんですとっ!?

 


 ・・・・・・・・・今うまうま、脳内出血起こしましたわよ?




 ・・・・・・・・・・・この先生、超ムカツクあの独活の大木ドクター





 その縫合の手の遅さを棚に上げて何を抜かす?




 その言葉を繋いで、あろうことかうちの主任さん、大笑い

「あはは〜〜〜!! そうそう!」


 ・・・・・・・・何が『そう』ですかっ!?


 ・・・・・・・・・・・切れますわよ!?宜しいかしら!?

 既に脳の半分壊死してますわよ、うまうま

「そんなことないですよ〜〜!!!! 最近は外来も忙しそうじゃないですか〜〜


 おりゃ〜〜、私!!!!

 『最近』ってつけるだけ余計なんだよ〜〜〜!!!! 確かに少し前まで小児科の先生自ら「ヒマ」って言ってたの聞いたけど!!!

「でも忙しいって言ったって、昔から比べれば患者数は落ちてるし。」

 技師さん、何故あなたが小児科の事を知っている!?
 おそるべし情報網!

 とどのつまり、整形外科医は

『小児科医がいっぱい居るんだから、二次救が多くても仕方ないよね。』

 と言いたかったらしい。それも上から目線で。成人は見てあげるんだし〜的な高ピー態度で。

 この発言、今の世の中贅沢ですよね・・・・


 家に帰ってニュースを見ていたら、今日の新聞で大きく取り上げられていた、受け入れ拒否が致命傷となった妊婦さんの話題で持ちきりです。どちらの病院にも善があり非があり、どこの病院にも善があって非があって、全てが哀しいけれど悪い方向へしか回らなかったと表現するしかないのですが、病院側の『受け入れできない』という現状があること自体、おかしいことだと思います。

 福山は一応広島県第二の都市。そこで三次救急をするのは市民病院一つ。後は私たちの病院のように二次救急の輪番制で医療の砦を待っています。けれどたまーーーに、市民病院で受け入れを拒否され(明確な理由が分からないことがあったのであえてこの表現をさせてもらいますが・・・)、うちの病院にやって来た島嶼部の患者さんが実在したりします。
 その患者さんは住んでいる地域の二次救急病院から三次救急の必要性を判断され、市民病院へ搬送されたにもかかわらず「病院側で手術が出来ない状態」と言われ、うちの病院に来ました。早急に手術を行う必要があったので、危ないながらもうちの病院で手術を受け、すぐにそのまま三次救急へ搬送しなおしたという例でした。
 それは妊婦さんではなかったのですが、もしもこれがニュースになっている脳内出血などの合併症の妊婦さんだったら・・・・ 脳外科がないうちの病院では、帝王切開をする事は出来ますが、そのまま別の病院に搬送と言う事になりかねません

 うちの病院は当直医が一人か二人。研修医の先生には上司がバックにつきますが、救急の当番の日以外は一人で、各科必要時呼び出し体制をとっています。呼び出し体制がきちんとできているからこそ、どんな患者さんでも受け入れます。なので、電話の時点で『受け入れ拒否』という都会の医療の現状がとっても不思議なんです。そんなのあり!?という感じ。ある意味、少し田舎のような都市に住んでいるほうがいいのかもしれません。
 逆に言えば、呼び出し体制が取れないほど、都会の病院の医者は疲労困憊という状況なのかもしれません。緊急という自体に対応できないほどの医療者の疲弊って・・・・。

 医療に携わるものとして、どの言い分もよくわかります。受け入れられなかった病院の言い分も、受け入れを必死で懇願していた地元の産婦人科も、受け入れた上で最期を看取られた病院の言い分も、そして患者さん側の思いも・・・。
 こんなことを言っていいのかどうかわかりませんが、それ程医療現場は疲れているのです。

 このニュース、本当に切ないです。以前大阪での受け入れ拒否があったばかりのような気がしていたのに、ネットワークが出来ている東京でこんな事件とは・・・。
 NHKで言っていましたが、一般救急のネットワークとは別のネットワークで周産期医療のERが動いている東京だからこそ起こりうる事故(?)だったとも言えるそうです。同じ番組で

『周産期、赤ちゃんの命についてはかなりの気が配れるのに、お母さんの命については誰も診る人が居ない。』

 と言っていました。妊娠は病気じゃないとはよく言われることですが、妊娠という現象が母体に与える影響と言うのは計り知れないことです。循環器系、ホルモンバランス、色んなところでぎりぎりのバランスを保ってお母さんは10ヶ月の妊娠期間を過ごすんです。
 私たち医療者も普通だと思っていたことですが、よくよく考えてみると本当にそう・・・凄い事

 周産期を診る医者が居ない、つまり産科医が居ない、
 NICUが足りない、ひいては小児科医が足りない。


 小児科、産科は特に医師不足が顕著なところです。私はどちらもあまりよく知らない科なので、どう大変なのかを言う事は出来ないのですが、当直で患者さんと接していると、子供の場合はとても慎重に成ります。先生たちは『親御さんと子供との両方を見ないといけないから。』なんて冗談のように言いますが、全くそのとおりなんだなと思ったり、身体が小さくて未熟な分、掛ける医療にも慎重にならざるを得ません。

 大変だからという理由でなり手がない小児科と産科。けれど、そういう科にこそ十分な数の医師が必要なんて、皮肉な話です。難しいです うまうまには難しすぎてなんとも言葉に出来ない問題です
 近頃、医学部の定員を増やしたというニュースが相次ぎましたが、その医学生たちの何人が小児科を志望してくれるんでしょう?産科医を希望してくれるんでしょう?確かに外科も内科も医師は必要ですが・・・。  
 そうしてまた「適正配置」とか言って、政府は数を出して無理やり医師を作っていくんでしょう?日本のお役所の考え方って何だか不憫

 希望もなく理想もない医者に、何が出来るんですか?
 夢も笑顔も持たない看護師に、何が出来るんですか?

 何より、「私が成りたい!」と思える職業であるように、何とか成りませんかね?

                        
 
 そんな今の現状で、「二次救急の為に小児科が居るんだ。」なんて発言、腹立ちません?

 外来だってしてるし、小児二次救急の大変さって整形外科医にはわからないじゃん!

 ・・・・自分の科以外には全く興味を持とうとしないうちの先生たちの態度にはムカつきます。確かにうちの病院の小児科医は、外来や入院患者さんに比べたら多いほうです。なので、小児科医が足りないといっている記事には申し訳ないですが、恵まれています。
 何でこんなに数が居るのか、私自身も知りません。何でだ!?二次救急の問題以前から多いぞ!?今うちの病院で内科に次いで医師数が多いのが小児科。ありゃりゃ?

 ま、何だかんだと言いましたが、私の尊敬する小児科の先生はそれでも真面目に働いて・・・・・居ると思う。そのお仕事ぶりを知っているからこそ、整形外科医の発言には腹が立つ。他の先生、整形の先生の事何にも悪く言ってないのにーー!!!! 整形外科の手術件数が多いからって、偉い事とはちがーーう!!!

 まぁつまり、うちの病院は恵まれていることに気づいていないと言う事です。産婦人科医と麻酔医が足りないのはちょっと気にかかるけど。

 8月の当直で、うちの病院に赴任してきた小児科医の事を以前の病院から覚えていたお母さんの記事を書きました。そのお母さんが

「あの先生がここに居てよかった。」

 と言ったあの表情や言葉の中の安堵感が、私は今も忘れられません。
 どんなに入院患者さんが少なくても、外来が暇でも(?)、そういってくれる人が一人でもいること、

「先生でよかった。」

 と言ってもらえることがどんなにか病院の誇りとなるか、整形外科に関わらず、まだまだ医師として若い先生には分からないんですかね・・・。悪いけれど、淋しい先生だな、君は
 小児科に限らず、どの科でも、どの病棟でも、「あの人で良かった」という言葉が持つ意味の深さには重いものがあります。例えよい結果が出せなくても、辛い思いをしても、そういってもらえる事が出来る医療は本当に素晴らしいと思うんです。

 私は、待っていてもらえる看護師で居たいです あなたで良かったといってもらえる看護師でありたいし、そういってもらえる程の先生のためなら、辛い事だって頑張れます。

 そこに沢山の「意味」があるから!



 受け入れ拒否という哀しい言葉とセットで語られるしかない妊婦さん。とても哀しくて切なくて涙が溢れる死だけれど、その方の死がどうかこの先、誰の心からも忘れられる事のない教訓として残ってくれますように。

 足りないからという理由で救えなかった命。
 もしかしたら違う県なら、救えたかもしれない命。

 その命は、母になるべき命だったのに。

 愛されるべき、愛すべき命だったのに。

 これから、必要となるはずの命だったのに。

 この母の愛の代わりに、国は赤ちゃんに何をしてあげられますか?

 母の愛に代わる何が出来ますか?

 あなたも、あなたも、

 沢山の母の愛をもらって生きてきたはずなのに。






 誰かの代わりに成れるなら、私があなたの代わりに散っても良かったのに。

 
 

 
 生まれる命の為に必要な命が散っていくこの国の医療を、

 仕方がないと諦められますか?


 
 本当なら今、生まれた命を抱きしめて、笑っていたはずの命。

 その儚さに、涙せずにはいられません・・・・。



 

にほんブログ村 犬ブログ 犬 闘病生活へ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村

2011.10.21より参加しています。ぽちっと応援よろしくお願いします。

初心者なので、どの記事にもどちらも載りますです。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。うまうまさん♪
受け入れ拒否については根本的に考え直すべき!何のための病院?なんで医療に携わっているの?あなたの仕事は何?・・・・と問わずにはいられません。

かわいそう・・だけでは片付けられない話だと思う。もちろん、それぞれにクリアしないといけない問題もたくさんあると思うけど、どないかならんかねぇ。
はぁ〜。でもがんばって!!うまうまさんのように感じてくれてる看護士さんもいるし、尊敬できるドクターもいる。いい環境なんだよ。きっと。
hoko
2008/10/23 23:48
 hokoさん、頑張りまっす!!!
 私は医師ではないからあんまり役には立たないかもしれないけど…。
 受け入れ拒否って、淋しい言葉ですよね。もしかして「受け入れられるのに断ってる?」っていう気持ちもあったりして、何を信じて良いのか分からなく成ります。
 医療に携わることに重みと責任を感じていかなくてはいけませんね。国に何とかして欲しいですけど、中々…。
うまうま
2008/10/25 00:11
10リットルまでの水しか入らないバケツには、11リットルの水は入りきれません。

1リットルの水がこぼれてしまった事で、周囲の人間が「なんだこのクソバケツ!」と足蹴にしたら、

バケツが凹んで、10リットル入れられたはずの物が、9リットルまでしか入らなくなりました。

…っていうのが、今の日本の医療崩壊(ていうか、マスコミによる医療破壊)の現状。

教訓とかそういう以前の問題。

…。
……。
………。

…マスコミの医療破壊は大成功ですね。
http://punigo.jugem.jp/?eid=500
http://punigo.jugem.jp/?eid=495
http://punigo.jugem.jp/?eid=491
都筑てんが
URL
2008/12/25 20:18
 言いえて妙…というか、絶妙な表現です…。納得しちゃいました。説明できないけど『おお…』という気分。

 医療って、国に首絞められてます。日本のお上の考え方が両極端な感じです。
 だからと言って蹴って凹ませてはいけないんですね。
うまうま
2008/12/26 23:18

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
散るには儚き・・・ 〜近畿☆瀬戸内☆うまうま交響楽団 ♪/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる